風営法と行政書士風営法の知識

特定異性接客営業|JKビジネスの規制と法律のポイント

 

“特定異性接客営業”平成29年7月1日に施行された東京都条例の、いわゆるJKビジネスを本格的に規制するカテゴリだ。

ただしこの条例がわかりにくく、いただく質問にも相談者自身が要点をつかんでいないことも多いのが実情だ。

電話で質問をもらうときも、「わかりにくくてどこから手を付けていいのかわからない」という嘆きにも似た相談をもらうことも多い。

ここで、新しく規制の対象になった「特定異性接客営業」を詳しく検討してみよう。

なかにはすでに営業を始めているが、よくよく調べたら規制の対象だったなんこともあるかもしれない。

しっかりと全体像をとらえよう。

 

なお、今回の規制は東京都条例なので、ほかの道府県には適用されない。

ただし東京都をロールモデルに他府県で同様の条例が創設される可能性は高いし、そうでない場合は現行通り児童福祉法や労働基準法を適用して規制することになる。

 

警視庁ホームぺージはこちらをご覧ください。

 

特定異性接客営業

論点は、従業員の年齢

警視庁HPより

「特定異性接客営業等の規制に関する条例」は、店舗型と無店舗型の特定異性接客営業を一律に禁止にし、営業をしたいのであれば届出をしてくれという趣旨の法律だ。

では、特定異性接客営業とはどのような営業なのだろうか?

(ここからやや硬い文言が続きますが、後述で説明しますのでクリックで飛ばして読んでいただいても問題ありません)

警視庁のホームページで条例を確認をすると、

イ 店舗を設け、当該店舗において専ら異性の客に接触し、又は接触させる役務を提供する営業

ロ 店舗を設け、当該店舗において専ら客に異性の人の姿態を見せる役務を提供する営業

ハ 店舗を設け、当該店舗において専ら異性の客の接待(法第2条第3項に規定する接待をいう。第5号ニにおいて同じ。)をする役務を提供する営業(イに該当する営業を除く。)

ニ 喫茶店、バーその他設備を設けて客に飲食をさせる営業で、客に接する業務に従事する者が専ら異性の客に接するもの

を具体的にあげ、そのうえで、

①青少年との接点を想起させる文言や映像、衣服を用いたうえで、

②性的好奇心をそそるおそれのある

ことを特定異性接客営業とよぶことにしている。

今回の規制は、従業員の年齢にフォーカスをした規制で、18歳未満の青少年を雇うことや18歳未満であることを来店動機にさせる営業に規制をしたものだ。

 

ただしこれではなかなかイメージがしにくいだろう。

もうすこしかみ砕いてみてみよう。

 

 

 

特定異性接客営業の具体例

警視庁も「条例だけではわかりづらいよな」ということでリーフレットの中にイメージイラストを添えている。

①マッサージなどのリフレ

②撮影や見学

③おしゃべりなどのコミュニケーション

④カフェ

⑤散歩

これらがあげられている。

ようするに既存のJKビジネス全般を指していると思っていいだろう。

ただしこれだけではまだ特定異性接客営業とは言えない。

これに付け加えて「青少年であることを文言や映像でアピールし」そのうえで「性的好奇心をそそる」ものがその対象なのだ。

ところで、これは個人的な感想だが、↑のイラストのJKと男性客は端的に双方の心理状態を表していると感じている。

男性客は満面の笑みであるのに対して女性は顔が死んでいるのだ。

死んでいるは言い過ぎかもしれないが、魂が抜けている表情と表現できるかもしれない。

もちろんこれだけが心理のすべてではないし、例外もあるかもしれないが、大きなベクトルは外していないと思う。

 

青少年であることの文言や映像とは?

この条例では、前述の青少年であることの文言や映像を

青少年が客に接する業務に従事していることを明示し、若しくは連想させるものとして東京都公安委員会規則で定める文字、数字その他の記号、映像、写真若しくは絵を営業所の名称、広告若しくは宣伝に用いるもの(抜粋)

と規定している。そして具体的には以下の文言になる。この文言は条例の施行規則に明記されているものだ。

これらの文字は、さらに説明が続き、

文字、数字その他の記号、映像、写真若しくは絵を営業所の名称、広告若しくは宣伝に用いるもの又は青少年が客に接する業務に従事していることを明示し、若しくは連想させるものとして公安委員会規則で定める衣服を客に接する業務に従事する者が着用するもので、青少年に関する性的好奇心をそそるおそれがあるもの

と続く。

要するにこれらの文言を想像させるものであればどのようなメディア(文字・記号・画像・動画など)であってもいけないということになるのだ。

 

 

小学生の文言は入っていないので「じゃあ小学生はいいのか」と思うかもしれないが、小学生と記載すれば当然そこから中学生も想像させるからもちろんダメだ。

 

また、これらのユニフォーム(プラス水着と下着)を着用させるのも特定異性接客営業の該当要件だ。

 

ちなみに、セーラー服が規制の対象にはいって学ランが入っていないのは性別による差別なんじゃないかという見方もできる。

ただしこれは程度の問題だ。「学ランに性的好奇心を持つなんてことはまさかないよな」ということだろう。

もっとも何年待ってもないと思うが、例えば学ランカフェが社会問題になればあっという間に文言に加えられるだろう。

 

該当しない場合とは?

では、前述の「青少年であることを文言や映像でアピール」「性的好奇心をそそる」に該当しない場合とはどのようなものだろうか?

 

わかりやすいのはファミレスのバイトだろう。

この場合、カフェに該当するのではないかと思われるかもしれないが、別にウエイトレスさんは青少年であることをアピールしてはいない。

男の趣味は様々なのでファミレス店員に性的好奇心をそそる人もいるかもしれないが、それはいくらなんだってレアケースだろう。

もっとも、ファミレス店員に性的好奇心をそそられるひとは四方八方にそそられているものなので、ことさらJKビジネスにフォーカスする必要もないかもしれない。

 

また、18歳未満の芸能人やスポーツ選手の撮影に関しても同様の理由でやはり該当しないと考えるのが本筋だろう。

 

キャバクラや性風俗店は該当しない

これはきちんと許可を取得したり届け出をした店舗ということになるが、キャバクラやホストクラブなどの1号許可やデリヘルなどの無店舗型性風俗特殊営業は除外される。

これらのお店で、例えばホストクラブに学ランデーがあっても問題ないし、キャバクラにJKコスプレデーがあってもまあいいだろうということだ。

もっとも、これらのお店は風営法で年齢制限があるし、条例で縛る以上に厳しい規制があるので既存の制度で問題ないという判断なのだろう。

 

逆に深夜酒類提供飲食店のガールズバーは規制の対象になるので気を付けよう。

 

該当する場合とは?

では、逆に該当する場合とはどのような場合だろうか?

耳が痛いかもしれないが、前述のようにいわゆるJKビジネスはすべて該当すると考えていいだろう。

ガールズバーであっても店名が「JKバー」なんてのはダメだし、お散歩ビジネスだって青少年とのお散歩をウリにしたものはダメだ。

アイドルの撮影会であっても、それが青少年であることを文言や映像でアピールしたりすれば該当する可能性も出てくる。

握手会だって逸脱すれば同様の理由で規制の可能性も出てくるだろう。

「JKビジネスに特化しているわけではないけど、仕事内容をよく考えると該当する可能性がある」ということもあるかもしれない。

この場合、まずは経営者がしっかりと把握をしないといつの間にか青少年を巻き込むことになるので必ず事前に細かく検討しよう。

 

青少年とは18歳未満の者

すでに何度も出ている文言の「青少年」をここで検討しよう。

今回の条例では2条1項で青少年を「18歳未満の者」と規定している。

そのため18歳未満であれば男女を問わず、学生であるかどうかを問わず規制の対象だ。

そして絶対に忘れてはいけないのが、特定異性接客営業には青少年を雇い入れることも、お客として迎えることもできないということだ。

厳密に言えば雇用に関しては接客以外であれば可能なのだが、青少年は好奇心が強いので最初は接客以外であってもなんだかんだ言って接客をする(させられる)ことくらいは想像しやすいだろう。

 

もしあなたのお店で18歳未満の男女を雇用しているのであればここでヒヤッとする人は多いのではないだろうか。

 

メイド喫茶の該当性は?

これは私のいち意見だが、今回の条例は直接メイド喫茶の規制を予定しているようには見えないように思う。

たしかに特定異性接客営業ではカフェを該当要件にしているが、ではメイド喫茶はどのように解釈すればいいだろう?

 

私はこのページで紹介したJKビジネスに該当しないのであれば、従業員が18歳以上であればメイド喫茶は問題はないととらえている。

 

ただし、メイド喫茶のなかには(実際の数は少ないかもしれないが)従業員の若さをウリにしているところもあるだろう。

また、メニューに「~テスト」「転校生」などの文言は規制の対象になる。

 

さらに、メイド喫茶の中でも特に18歳未満の従業員がいる場合は注意したほうがいいだろう。

お客は18歳未満のメイドさんがいることが来店の動機になっていることが多いからだ。

特にサービスが従業員と客との間に接触するものが多かったり、18歳未満であることがお店の特徴である場合は気を付けよう。

(この場合、接待行為かどうかのほうが論点になりやすい)

 

確かにメイド喫茶の中には本当にただのウエイトレスとしての勤務のみというところも少なくない。

この場合は最低限、18歳未満であることをことさらにほのめかす広告物は避け、性的好奇心をそそる衣装は避けたほうが無難だろう。

 

精神的な癒し

青少年を規制の対象にしたことで、一部のファンからはこのような意見もあるかと思う。

「性の対象として見ているのではなく、単純に精神的な癒しを求めている」

この意見ももっともだと思うし、青少年にだからこそ心を開ける大人もいるかもしれない。

ただし、そのような意見の人には大変に申し訳ないと思うが、そのような意見を隠れ蓑にして全体から見れば実際は性的好奇心がビジネスの根拠になっていたということが問題の端緒であるし、それが規制の発端であることは想像しやすいと思う。

 

なぜJKビジネスが規制されるのか

ここで根本的に、なぜJKビジネスが規制されるのかを検討しよう。

別に個人の趣味嗜好なんだから法律でつべこべ言うなという気持ちの人も多いだろう。

もちろん大の大人がどのような趣味嗜好をしようが「だからどうした」という気持ちになるのはその通りだと思う。

しかし、対象が青少年になるとこうはいかない。

あなたも経験があると思うが、青少年はものごとの良し悪しも区別がついていないことも多いし、流されやすく、影響を受けやすいものだ。

警視庁のイラストにもあるが、高校生の女子が初老オヤジと適当にだべって散歩しただけで何万円ももらったら、勘違いして金銭感覚がずれるのは目に見えているだろう。

 

いい大人が自分の判断で選んだ道であれば勘違いして後戻りできなくなっても「さすがにそりゃあ仕方ないよね」となるかもしれない。

しかし青少年はこうはいかない。法律的に青少年は保護の対象であることからわかる通り社会的弱者なのだ。

責任を取ろうにも取れないことも多いし、一時の気の迷いがその後の人生に与える影響は計り知れないだろう。

青少年は知識経験的にも圧倒的に弱者なので、社会全体で保護する必要があるのだ。

 

特定異性接客営業をしたい場合

ここまでで、特定異性接客営業の全体像はつかめたと思う。

次に、実際に特定異性接客営業をする場合の手続きの全体像を見てみよう。

特定異性接客営業は、店舗型と無店舗型に分類される。

例えばインターネットで集客してキャストさんを派遣してお散歩をするというのであれば無店舗型だし、店舗内で撮影会をするのであれば店舗型となる。

この場合、店舗の受付所がある場合は200メートル以内に病院や図書館、児童福祉施設などの施設があってはダメという規制がある。

ほとんど風俗営業許可と同じだが、キャバクラなどの風俗営業許可は100メートルがその範囲であるのに対して面積にして4倍の厳しさを課している。

また、これも風営法と同様で住居地域には受付所は出店できない。

無店舗型であっても受付所がある場合はやはりこれらの規制があるので気を付けよう。

 

これらの規制があったうえで、もっとも重要なポイントだが、18歳未満は一切雇用することはできないという規制がある。

つまり、JKビジネスをやりたいのであれば18歳以上を雇用してやれといことだ。

これを無茶と思うか、あるいはそれでもお客は来るだろうととるかをまずは選択しよう。

 

”リアル”JK?

これはやや笑い話だが、警視庁のリーフレットには裏と表の表紙に「STOP!リアルJK」との文言がある。

これは「本物の女子高生をJKビジネスに使うのはやめよう」というメッセージであると同時に、

「JKビジネスをやりたいんだったら、せめてJKっぽいビジネスにしましょうよ」という意味合いも私には感じる。

JKが好きな大人には、何を言っても無駄だからとせめてものガス抜きをリーフレットの最初と最後に表現したのかもしれない。

 

これは本物のJKをビジネスに採用することはできないということと同時に

「18歳以上であれば問題ありません。例えば40歳のキャストさんがJKに扮してビジネスをしても、届出さえすれば構いませんよ」

というメッセージととらえることもできるのだ。

では、そんな特定異性接客営業のお店があったとして、あなたはお金を出して来店するだろうか?

私だったら絶対に嫌だ。

自分の大事な時間とお金を使ってそんなコンセプトバーにはいきたくない。

 

 

JKビジネス根絶の本気度

前述したが、今回の東京都条例はJKビジネスを根絶やしにしようという強い意気込みを感じる。

条例が制定されなくても児童福祉法や労働基準法で規制は可能なのだが、そのものずばりの条例を制定したのだ。

今回の条例によって、JKビジネスに18歳未満を雇用することはできないということがより明確化された。

「18歳以上の人を雇って、JKっぽいビジネスであれば届出をしてくれればいいよ」というシステムだが、はたしてこのシステムが機能するだろうか?

 

特定異性接客営業は届け出をすることでステッカーを営業所の入り口に掲示することになる。

これを掲示することによって、

「うちはきちんと届出をしてJKビジネスしてます」

ということと同時に

「うちは18歳未満はいません」

ということを明示することになる。

 

JKビジネスのユーザーはリアルJKだから利用するのであって、18歳以上のなんちゃってJKには興味が持てないのではないだろうか。

そこまで考えてこの条例を制定したように私は感じる。

 

 

罰則

特定異性接客営業は条例ではあるが、風営法に準じた罰則が規定されている。

 

東京都公安委員会の命令に対する違反→1年以下の懲役または100万円以下の罰金

禁止区域内の営業、営業者の禁止行為の違反、警察官の命令違反→6か月以下の懲役または50万詠歌の罰金

届け出義務違反→30万円以下の罰金

軽微な届け出義務違反→20万円以下の罰金

 

が設けられている。

罰則も厳しいが、JKビジネスの規制は始まったばかりなので注目度が高く、ニュースなどに事件や名前が出ることも想像しやすい。

この場合の社会的制裁のほうがよほどダメージは大きいと考えよう。

 

まとめ

特定異性接客営業は、煎じ詰めれば既存のJKビジネスを根絶しようというくらいインパクトの強い規制だ。

既存のJKビジネス以外にも、場合によってはアイドルビジネスやコンテンツビジネスにも該当する可能性のあるものだと思う。

 

ただしここで勘違いしてほしくないのは、あまり年齢のことをことさらに取り上げてしまうと「青少年だから」という理由の差別にもなりかねない。

私も高校生の時にアルバイトをして自分の小遣いを稼いでいた経験があるので、ただ単純に年齢だけで判断されるのは全くの筋違いだと思う。

もちろん条例もそのあたりは押さえていて、だからこそ何段階かを踏まえて厳密に規定しているのだと思う。

 

ポイントは風営法同様、やはりスケベ心と色恋だといっていい。

18歳未満の男女を雇用するときに、ビジネスのポイントが青少年へのスケベ心や色恋にあるのであれは該当する可能性は高い。というかほぼ該当する。

そして、このスケベ心と色恋は当人は気づいていなかったり気づいていても本人にはどうしようもできないことが多く、それを第三者は簡単に見抜くという性質があるのだ。

経営者であれば自分の考えるビジネスモデルが社会ずれしているのかいないのかは判別つけられるべきだろう。

すでに営業をしている場合はしっかりと検討して、該当すると考えた場合は営業方針を変えるなりしてしっかりと対策しよう。

↓いいね!をお願いします↓

深夜営業・風俗営業許可のご依頼は
行政書士 前場亮事務所へ。
03‐6679‐2278
(10:00~20:00)
もしくはメールから24時間
関東全域対応。
すぐにお店を訪問します。
深夜営業 68000円~(税抜き)
風俗営業許可 140000円~(税抜き)
バー・スナック・キャバクラ
ガールズバー・メイドカフェ・
アミューズメントカジノ
麻雀店・居酒屋
などのあらゆる業務に対応します。

お名前 (必須)

メールアドレス (必須)

お電話番号

ご依頼・ご相談

LINEで送る