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キャバクラやホストクラブなどの風俗営業許可にしろガールズバーやメイド喫茶などの深夜酒類提供飲食店にしろ、誰が申請人になって誰が管理者になるのかは大変に重要な問題だ。

ところが安易に人選を考えてしまい、後々に大きな損失をもたらすことも多い。

今回はこの人選の問題を実際の責任の所在とともに完璧に説明したいと思う。もちろん、ここで書いたことは私の知識と経験によるものだが、このサイトの信頼度はあなたが一番理解しているだろう。これから開業を考えているのであればぜひ読み込んで理解してもらいたい。

 

なぜ人選を慎重にしなければならないのか?

「経営なんだから人選は慎重にするのは当然」と多くの経営者はいうと思うが、それでは身もふたもないので、ここでは風営法の業務における人選に絞って説明したいと思う。

 

管理者が一番大きな責任を背負う

まず、一番押さえておきたいポイントは、風営法では管理者が一番権限が大きく、さらに責任も大きいということだ。

通常の会社でいえば責任所在は社長や役員だろうというのが一般論だが、風営法はお店単位で許可されるものなので、そのお店の責任者=管理者がもっとも大きな責任を背負うことになる。

これは、たとえば通常の飲食店でも不祥事(セクハラやパワハラなど)があればその店長が処罰されることもあるだろうし、似ているところもあるだろう。

実際に歌舞伎町や六本木で摘発があった場合に、まず店長が一番大きな処分を受けることがほとんどだ。

二次的損失(管理者の不祥事によって会社や申請人に経済的な被害がおよぶ)にかんしてはここでは考慮しないことにする。つまり、直接の損失を説明しているととらえて読み進めてほしい。

 

 

経営者は管理者の進言を尊重しなければならない

管理者が最も大きな責任を背負うというのは一般論という以外にも法的にも根拠がある。風営法24条にしっかりと根拠条文がある。

風営法24条

 管理者は、当該営業所における業務の実施に関し、風俗営業者又はその代理人、使用人その他の従業者(以下「代理人等」という。)に対し、これらの者が法令の規定を遵守してその業務を実施するため必要な助言又は指導を行い、その他当該営業所における業務の適正な実施を確保するため必要な業務で国家公安委員会規則で定めるものを行うものとする。
 風俗営業者又はその代理人は、管理者が前項に規定する業務として行う助言を尊重しなければならず、風俗営業者の使用人その他の従業者は、管理者がその業務として行う指導に従わなければならない。
 
いかがだろうか?この条文だけでも相当に大きな権限が管理者に与えられているのがわかる。もちろん経営者や申請者にはこれに該当する条文はない。
 
 

管理者は店舗に常駐できる人が好ましい

当たり前だが、これだけ権限を与えられている管理者がほとんど店にいなかったり、あるいは名義だけの管理者であるのは好ましくない。
管理者は店長として常駐できる人がいいし、それだけ信頼のおける人でなければ管理者にはしないほうがいいだろう。
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人選のポイント

では、具体的な例を挙げてどうやって人選をするべきかを考えてみよう。
ここでの例は、六本木のクラブや芸能人のお店ではよくあるパターンだが、オーナーがいて、経営者がいて、店長がいるパターンだ。
 

オーナー

オーナーのメリットは、経済的なリターンもあるが、私の経験上、自己達成感や顕示欲のほうが強いように感じる。
さめた言い方をすれば、オーナー自身は本業で稼ぐから収支はマイナスでなければいいというスタンスの人も多い。
 
お金はだすし、意見もするオーナーもいれば、お金は出すけど口は出さないというオーナーもいる。リターンに関しては投資した分に関しては回収したいと考える人もいればそれすら考えていないという人もいる。
 
ただ、共通するのは仮に行政上の処分や違法行為を摘発されても、その責任までは背負いたくないという本音だ。
そりゃあそうだとも思う。お金を出して、ほかに責任者がいるのに社会的責任まで背負わされたらたまったもんじゃないと考えるのが人情だ。
 
 

経営者(申請人)

 いわゆる社長だが、ここがいろいろなパターンがあることが多いようだ。
たとえば、実質的な経営者なのに社会的責任を背負いたくないから別に社長を立てている場合もあるし、実際に責任もリターンも背負って社長についている人も多い。
 
経験上、リターンとリスクで二枚舌を感じる経営者は信頼されていないことが多く、失敗することが多いように感じる。
 
ただ、たとえば経営者自身がすでに社会的責任をほかで背負っている場合で、どうしても仕方なくほかの人に社長になってもらうパターンもある。
 
風営法で摘発されることでほかの業務に影響することを避けるためということが多いが、「リターンはもらうけどリスクは背負わない」という小男のダブルスタンダードは他人は簡単に見透かすようだ。
 
 

管理者(店長)

 風営法の管理者は、一番イケイケというか、現場での経験も多く、バリバリの現役であることがほとんどだ。知識も経験も一番多いことも多い。
 
申請人と管理者はたいていの場合は友人であったり、もともとの人間関係がある場合がほとんどだが、ビジネスライクに店長をその時に任されて雇われることもある。
 
また、申請人と管理者を兼ねる場合はほぼ全権を握るためそれなりの経験者であることが多い。
私に依頼をいただく多くの申請人ではこのパターンが最も多い。そしてその場合は申請から許可まで大変に協力的でスムーズに進むことがほとんどだ。
 
 

申請人・管理者になれないからほかの人を立てる場合

深夜酒類提供飲食店では人的要件がないのだが、風俗営業許可では人的要件に欠格事由というものがあって、たとえば過去に犯罪歴があった場合などは申請人にも管理者にもなれないケースが出てくる。
 
この場合は、名義人はとりあえず立てて自身がバリバリ経営するということも考えられるが、そもそも名義貸しに該当してしまうし、一度処分を受けた人の反省期間という意味で欠格事由という制度が設けられているので私は受任しないようにしている。
 
 

深夜酒類提供飲食店の場合

風俗営業許可は申請人と管理者が別々になっているのに対して、深夜酒類提供飲食店は名義が一人しか記載できないようになっている。
そのため基本的には経営者が管理し、経営者の名前で手続きをすることになる。
あまりにも経営者と申請人でかい離がある場合は名義貸しの疑いも出てくるので注意しよう。
 
 

まとめ

いかがだろうか?オーナー、経営者、管理者のそれぞれの立場を理解できただろうか?
もちろんこれに当てはまらないこともあるだろうし、 当てはまらないことのほうが多いだろう。だが、警察から見ればこの三者がキーマンであることには変わりない。
 
管理者は責任も権限も大きく与えられているのに、オーナーが無責任に口出ししたり、しかもそれが法的に間違ったことだったりすることもある。このような場合はオーナーは少なくとも申請者となり責任を背負うべきだろう。
逆に言えば、責任も背負えないのに好き勝手にやりたいのであれば、やらないほうがマシだとも思う。
 
人選ミスがあり、あとから名義を変更するとなると風俗営業許可だと2か月、深夜酒類提供飲食店だと10日間は営業を自粛することになり、経済的なデメリットも大きくなってしまう。
 
実際の実務上では、人間関係が複雑すぎてまったくこのあたりのことを考えずに人選をしてしまうことも少なくない。大変に残念な話だが、このような場合は半年もしないで空中分解することもあり得る。
厳しい言い方だが、ひょっとしたらあなたにも思い当たるフシがあるかもしれない。その場合は冷静になって自分の背負えるリスクをもう一度考察してみよう。
 
 
当事務所に依頼いただければ最初にコンサルタントできるので問題ないが、あなたが自分で決める場合はぜひ参考にしてもらいたい。
 
 

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